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糖尿病患者の喫煙
 腎症リスク2倍に

お茶大グループ調査

 たばこを吸う糖尿病患者は、喫煙しない患者に比べ、人工透析の原因になる糖尿病腎症の危険性が約2倍に高まることが、お茶の水女子大学の研究グループの調査でわかった。2007年05月1日発行の米国糖尿病学会誌に発表される。

 同大生活習慣病医科学講座の斎藤和美研究員と曽根博仁准教授(代謝内分泌内科)らが、生活習慣が関係するとされる2型糖尿病の男性患者357人を、茨城県の診療所で3〜7年にわたって調べた。

 106人が腎症を発症したが、喫煙している患者では179人中60人が発症したのに対し、喫煙経験のない患者では104人中23人だった。過去に喫煙経験があって禁煙した患者では74人中23人が発症した。

 年齢や食生活などの要因を排除して解析した結果、たばこを吸っている患者が腎症を発症する危険率は、全く吸わない患者の2・1倍になった。すでにやめた患者でも1・9倍だった。1日の喫煙本数が1本増えるごとに危険率は2%上昇。喫煙年数も、1年増すごとに危険率が2%上昇した。