生成機構:
一般に結晶というものは、結晶面の欠陥部分に優先して原子を取り込みやすいので、ゆっくりと成長した場合には、結晶面に凹凸が無い単純な構造となる。
それに対してデンドライトは、過冷却状態あるいは過飽和状態の液体から固体が析出した場合に生じやすい。種結晶の周りに過冷却または過飽和の液体がある場合、結晶表面への原子の吸着が急激に進む。液中の原子はとにかく早く固体になりたがっているので、種結晶の欠陥部分を埋めるだけでなく、多少居心地が悪くても結晶表面のどこにでも付く。
すると、確率的に、表面の凸部分に付きやすくなる。そのため、表面の凸部分がどんどん成長して真っ直ぐ伸び、その先端はちょっとしたきっかけで枝分かれしていくので、結果としてデンドライトのような一定の規則性を持った構造になる。過冷却あるいは過飽和の度合いが大きいほど急激な結晶化が起こるので、枝の間隔が狭いデンドライトができやすい。
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