椅子の脚が折れてけがをし、うつ病になったとして、北九州市の女性が家具製造販売大手ニトリ(札幌市)に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は2月28日付で、ニトリ側の上告を棄却する決定をした。うつ病との因果関係を認め、約1580万円の賠償を命じた二審判決が確定した。
一、二審判決によると、女性は2008年11月、ニトリが製造、販売した椅子に座り、当時1歳だった長男を膝に乗せようとした際、溶接の不具合で椅子の脚が折れ、床に転倒。腰の骨を折り、約4カ月後にうつ病を発症した。
一審福岡地裁小倉支部は、健康が回復しないことなどへの不安からうつ病になったとして、ニトリに約960万円の支払いを命令。二審福岡高裁も因果関係を認めた上で、賠償を増額していた。