4日午後4時半ごろ、千葉県館山市船形の船形山の中腹にある諏訪神社(石井三千美宮司)から出火、本殿と拝殿計100平方メートルを全焼し、山林約1200平方メートルも焼いた。近くにいた住所不定、無職の大野正勝容疑者(63)が「自分が火を付けた」と認めたため、館山署は非現住建造物等放火容疑の疑いで逮捕した。
同署によると、大野容疑者は落ち葉や雑誌などを本殿裏に大量に集めてライターで火を付けた。「生活に困り、逮捕されたかった」と供述しているという。
ポンプ車など十数台が駆けつけたが神社が道路から30メートルほど高台にあるため消火に手間取り、約3時間40分後に鎮火した。
諏訪神社は、近くにあり「崖観音」と呼ばれる船形山大福寺とともに1300年前に行基が開いたと伝えられ、本殿と拝殿は関東大震災で倒壊後、1927年に再建された。拝殿の向拝部分の竜の彫り物は安房の名工・後藤義光の弟子、後藤義信の作とされるが、ご神体の鏡などとともに焼失した。【中島章隆、川名壮志】